助産師さんって働いている時、どんなものを持っているの?
助産師の必需品をを教えて欲しいな〜
これから助産師として働く方は、実際に助産師が何を持っているのか気になるのではないでしょうか?
先輩助産師たちがいつもナース服のポケットに何を入れて持ち歩いているのか、またそれをどのように活用しているのか、気になりますよね。
私も助産師として働き始めた頃は心配性で、筆記用具はもちろん、”まとめノート” などたくさんのものをポケットに詰め込んで働いていました。
しかし、実際には、
重い!
肩が凝る!
分娩介助の時に邪魔!
血液で汚れる!
色々詰め込みすぎて無くす!笑
といった感じで、詰め込みすぎてもダメなのです。なので、私のポケットの中身は他の助産師さんと比べると必要最低限で、なるべく多く持ち歩かないようにしています。
今回は、
・助産師が職場で何を持ち歩いているのか知りたい
・助産師として働く際、何を準備したらいいのか分からない
このような悩みを持つ新人助産師さんに向けて、助産師の必需品をご紹介していきます。
助産師が普段どんなものを持って仕事をしているのか少しでも興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
助産師のポケットの中身
3色ボールペン
まずはボールペンです。色分けなどもするので、黒、赤、青の3色ボールペンがおすすめです。一色ずつのボールペンだと3本持つ必要がありますが、3色ボールペンは一本で済むので軽量化できます。
太さは0.5mm
おすすめの太さは0.5mmです。電子カルテが一般的ですが、申し送りの際に重要なところは手書きでメモをしていきます。大切な情報を聞き逃さないようにサササっと素早く書く際に、0.5mmが一番書きやすいです。
また助産師として、母子手帳に記録をすることも多いです。母子手帳は一生残る大切な記録物なので、丁寧な字でしっかりと見やすく記載することを心がけています。母子手帳は小さく、狭いスペースに記載していく場面も多いです。芯の太さが0.3mmだと細すぎて字が見づらく、0.7mmだと太すぎて字が潰れてしまいます。0.5mmはちょうどいい太さだと感じています。
2本持ち歩く
ボールペンは必ず2本持ち歩いています。
理由としては、自分用と、患者さんに貸し出す用です。
患者さんに書類を記載してもらう際に、病棟のポールペンを持って行って記載してもらうこともありますが、自分も貸し出し用を一本持ち歩いていると便利です。
注意点としては、自分のものと分かりやすいように名前を書いたりシールを貼っておくことをおすすめします。貸したまま紛失してしまうことも多いためです。
私は、自分の目印に、細いマスキングテープをぐるっと一周貼り付けています。可愛いマスキングテープだと見るたびにテンションも上がりますよね。
油性マジックペン
油性マジックペンは次の場面でよく使用します。
・入院時の書類作成
・処置時の検体作成
・NSTモニターの用紙に患者名を記載
・生まれたベビーのネームカードやネームバンドに名前、出生日時、性別を記載
・帝王切開後の創部の滲出液にマーキング など
他にも、メモ用紙にメモをする時間もないくらい忙しい時などは、自分が装着しているゴム手袋の甲にマジックペンでメモをすることもあります。そのゴム手袋を残しておいて後で清書するなんてこともあるので、業務が忙しい時に頻用します。常にポケットに入れておくと便利ですね。
アルコール綿
アルコール綿は病院の備品としてあります。
処置の際にトレイに一緒に2〜3枚入れておくのですが、処置中に余分にアルコール綿が欲しい時に胸ポケットに2〜3枚入れてあると重宝します。
ナースコールで呼ばれて訪室したら、「点滴が漏れています」と言われることもあります。そんな時にアルコール綿を持っているとナースステーションに取りに行く手間が省けます。
電卓付きタイマー
電卓とタイマー機能が一つになっています。
電卓は、点滴の速度計算やベビーの体重減少率を計算するときに使用します。タイマーは、VS測定時や陣痛間隔や発作時間をの測定、陣痛促進剤の点滴速度アップの際に使用しています。また、アラーム機能が付いているので、やるべき事をうっかり忘れてしまうというミスを防ぐこともできます。
これは尊敬する先輩から頂いた電卓付タイマーです。私が忘れっぽいので、アラーム機能付です。笑
メモ帳
メモ帳の種類
ナース服のポケットに入るサイズであればなんでもいいです。
大きすぎると持ち運びできませんし、小さすぎてもメモしづらいですしね。
私は、2冊で100円という、激安のメモ帳を使っています。100円均一で買いました。
強いて言うなら、パッと取り出して使えるように、リング式のメモ帳にしています。
常に、白紙のページを開けておいて、ポケットから取り出したらすぐに書けるページを開けておけるからです。
真っ白なメモ帳ではなく、罫線が引いてあるメモ帳を使用しており、縦書きでも横書きでもいいですが、私は横書きのものを使用してします。
気になったことをすぐにメモ
業務の中で気になったことはすぐにメモを取るようにしています。
たとえば、分からなかった略語、病態はメモしておいて、あとから勉強します。
また、お産の電話がかかってきた際は、名前、週数、分娩進行状況などをさっとメモしたりすることもあります。そのメモを持って院長に、「こんな妊婦があと○分で来院予定です」と伝えたりすることもあります。
また、お産後に胎盤測定といって、赤ちゃんと一緒に胎盤も娩出されるのですが、その胎盤の計測もします。
手袋をはめて、胎盤の長さや重さ、臍帯の長さなどを測定するのですが、それをサッとメモしておき、あとでパソコンに入力したりすることが多いので、そういうときにもメモ帳を使うことがあります。
個人情報のページはすぐに廃棄
メモ帳に患者さんの個人情報などを記載した場合は、そのページをちぎって病院の個人情報専用のゴミ箱に捨てます。
メモ帳をそのまま持ち帰ってしまうと、個人情報流出につながってしまいますからね。気をつけましょう。
メモは早いうちにまとめる
メモはあくまでもメモなので、数日経ってからメモを見返すと、字が汚すぎてなんて書いてあるんだっけ?となったり、単語しか書いていなかった場合、なんでこの単語を書いたんだっけ?となったり忘れてしまいます。
そのため、メモした内容はなるべく早くまとめるようにしています。
まとめることができたものから、そのメモ帳の内容を黒ペンでシャーっと消したり、そのページをちぎって整理しています。
また教育熱心な先輩は、
「この間言ってた〇〇、わかった?勉強してきた?」
なんて、聞いてきてくれることもあります。なのでメモした内容はなるべく早く振り返る必要があります。そうやって、知識を増やし定着させています。
これは実際に私が使っているメモ帳です。手の平サイズでコンパクトですね。
あんちょこ
「あんちょこ」と聞いて、「 ? 」となった人も多いのではないでしょうか。
私も初め先輩から聞いて、美味しそうなパンか何かかしら?(´-`).。oOと感じました。笑
あんちょことは、教科書に解答や解説を付け加えた、手軽な参考書を意味します。
メモした内容をまとめたものになるので、自分だけのまとめノートのようなものです。
下の写真は、私が実際に使っていたあんちょこです。
右下の小さなカラフルなあんちょこは、大学病院の母性棟で勤務している時に使用していました。パソコンのパワーポイントで編集してあんちょこを作成していました。1ページに6枚のスライドを作成するようにして印刷し、一枚一枚のスライドを切り取り、リングに通して使用していました。まとめることで自分の頭の中を整理する事ができ、またパソコンで自分が覚えやすいようにレイアウトするのも楽しかったです。
左の白い手のひらサイズのメモ帳は、大学病院のNICUで勤務している時に使用していました。大学病院にはスタッフ皆んなが共通の手順で処置などを行えるように、”手順書”というものがあるので、それを手のひらサイズに印刷し、そこに自分の分からない箇所を追加で書き込んでいました。NICUは特殊な処置などが多く、PIルートの作成手順ってどうだったっけとか、トロッカーカテーテル挿入の用意って何が必要だったっけとか、そういったものが書いてあるので、ポケットからサッと出して確認していました。
右上の茶色いメモ帳は産婦人科クリニックで使用していました。青色のプラスチッックタグ箋を付けて、どこに何がメモしてあるか分かりやすくしています。ポケットの中に入れていると摩擦で付箋が剥がれてしまうことが多いのですが、プラスチック製の付箋なので、とても丈夫で、剥がれてしまったり、ちぎれてしまうという心配はないのでおすすめです。
メモはあくまでもインプットです。それを振り返ってあんちょこにしてまとめることで、アウトプットし知識が定着していきます。
メモをして振り返り、オリジナルのあんちょこを作ってどんどん知識を増やしていきましょう♪
『胎児心拍数陣痛図の評価法と対応』冊子
胎児心拍数陣痛図のレベル分類表です。
これは職場で配布されました。私は、何度見ても正確に覚えられないので、いつも持ち歩いています。ポケットの中に入れているので、角が折れ曲がっていますね。笑
評価が難しかったり、分かりにくいモニターの際に、この冊子を取り出して確認しています。
他の助産師のポケットの中身
ここで、他の助産師のポケットの中身も紹介します。
アルコール消毒液
職場の備品で準備されています。ラウンド時は、カートに乗せて訪室し、処置のたびに使用します。病院によっては、廊下や病室にも備え付けてあったりします。
個人で持ち歩くことで必要なタイミングで手指消毒ができますが、院内の至る所に設置されている理由から、私は持ち歩いていません。
大学病院で勤務している際は、個人で持ち歩くことが義務付けられていました。1ヶ月でどれだけの量を使用したかを報告し、感染リンクナースに報告する必要もありました。
秒針付き時計
VS測定時や点滴の速度調整、陣痛間隔や発作時間の測定などで使用します。腕時計ではなく、ナース服のポケットなどに入れて持ち歩く懐中時計を使用している方が多いです。腕時計は手指消毒の際に手首まで十分清潔にできなかったり、羊水や出血で汚れることもあるため、懐中時計が便利です。
私の必需品である電卓付タイマーが秒針の機能を兼ねているのと、時計は廊下にも病室にも分娩室にも備え付けられているため、個人では持ち歩く必要がないと思い、持ち歩いていません。
認印
書類作成や点滴のダブルチェックの確認、薬品請求のサインなどで使用します。無くさないように、ストラップ付のものを選び、ナース服のポケットに装着していることが多いです。
私の病院では認印は書類作成の際のみに必要で、他は手書きのサインが認められています。書類の作成もナースステーションで行うことが多いので、認印はわざわざポケットに入れて持ち運ばず、ナースステーションに置いて管理しています。
ハサミ
ガーゼやテープ、ネームバンドを切ったり、医療物品が入った段ボールを開封する際に使用します。ハサミもストラップが付いているものを選ぶと紛失のリスクが減ります。私は、ガーゼやテープもナースステーションで用意してから訪室するので、わざわざポケットに常備しなくてもいいかなと思い持ち歩いていません。
またMRI室などに患者さんを搬送する際は、ハサミなどがポケットに入ったまま入室すると非常に危険です。金属などの磁性体を持ち込むと、その磁力によって装置に向かって飛んでいってしまいます。毎回ポケットの中のハサミを出して入室するのが面倒で、出し忘れを防止するために持ち歩かないようにしました。
さいごに
助産師がいつもポケットに入れている必需品をお伝えしました。
働く職場の環境によってポケットの中身は変わってくると思うので、働きながらあなただけの必需品を見つけて、快適に仕事ができるといいですね。