助産師の就職場所ってどうやって決めたらいいの?
就職先の選び方のコツを教えて〜
助産師が働ける場所はたくさんあります。
その中でも、どこで働くかというのは、今後の人生において、とても大切な選択になってきます。
この記事では、助産師の就職先の選び方のコツを体験談を元に紹介します。
新卒の人も、転職を考えている人にも参考になると思うので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
助産師の就職先を選ぶコツ
助産師の就職先を選ぶにはコツがあります。以下にまとめましたのでご覧ください。
・助産師になって何をしたいかを考える
・教育体制について確認する
・分娩状況を確認する
それぞれについて詳しく説明しますね。
助産師になって何をしたいかを考える
まず、今後どんな仕事をしたいか、どんな分野で活躍したいかを明確にする必要があります。
就職先選びには、別の記事で説明する、給与や勤務時間なども大きな要因になってくると思います。
しかし、
条件のみにとらわれて職場探しをしてしまうと、就職後にやりがいを感じられず、長続きしません。
私の友人も、給料が良いからと、大学病院から美容整形のクリニックへ転職しました。
しかし、その後看護師としてのやりがいを感じられず、すぐに辞めてしまいました。
目先の利益だけに囚われてしまってはいけませんね。
教育体制について確認する
助産師が働ける場所はたくさんあります。その中で、新卒後の職場選びとしては、
幅広いスキルを積むことができる病院を就職先に選ぶのがおすすめです。
ある程度規模の大きい病院であれば、教育体制がしっかりしており、看護師としてのベースを学ぶことができます。
一方、クリニックなどはスタッフの人員がどうしても少ない傾向にあります。
そのため、教育体制が病院に比べると手薄になってしまったり、即戦力として働かなければいけない状況下にあり、新卒は受け入れていない場合もあります。
分娩状況を確認する
助産師として、分娩介助に携わりたいと考えている場合、その病院の分娩状況を確認することはとても大切です。
私は以下の項目を確認しました。
・年間の分娩件数
・経膣分娩、帝王切開の割合
・一助産師あたりの年間の分娩介助件数
・新人助産師の分娩介助件数
・夜勤帯の分娩介助の状況
それぞれ見ていきましょう。
年間の分娩件数
病院自体の年間の分娩件数を確認します。
当たり前のようですが、実は確認せずに就職先を選んでしまいました。
私は新卒で大学病院に就職しました。年間400件近くの分娩件数がありましたが、友人はより多くの分娩に関わりたいということで、分娩件数が多い病院を選んで就職し、一年目ですでに100件近くの分娩介助に当たっていました。
私は大学病院ということもあり、1年間で9件しかお産に当たれなかったので、その点ではかなり後悔しています。
経膣分娩、帝王切開の割合
大学病院など、規模の大きい病院だと帝王切開の割合が多い場合もあります。病院のHPなどに記載していることもあるので確認してみましょう。
分娩件数が多くても、帝王切開の割合が多い場合は、なかなか経膣分娩の分娩介助に当たれないこともあります。
一助産師あたりの年間の分娩介助件数
助産師一人当たりの分娩介助件数を確認します。病院によって、一年目の助産師を優先的に分娩介助に当たらせたり、ある程度経験を積んだ3年目の助産師に優先的に当たらせるという病院もあります。
その場合、指導的な立場にある助産師はなかなか分娩介助に当たれないということもあります。
新人助産師の分娩介助件数
私が新卒で入社した大学病院では、一年目の助産師が優先的に分娩介助に当たりました。
しかし、先ほどもお伝えしたように、私は助産師になった一年目で、1年間で9件しかお産に当たりませんでした。しかしこれでも、同期の助産師の中では一番多かったです。
その理由として、同期の人数が多かったことが挙げられます。新卒で母性病棟に私を含め、五人の助産師が配属されたため、お産の取り合いでした。なるべく平等にお産に当たれるようにと、分娩担当を五人で回していくのですが、自分が担当の日に限ってお産がなかったり、帝王切開になってしまったりして、なかなかお産が回ってこない場合もあります。
助産師の数が多いと一人当たりの分娩介助件数も少なくなってしまいます。
夜勤帯の分娩介助の状況
私の病院では、夜勤帯は3年目の医師が分娩介助をすることになっていました。そのため、夜勤帯は、助産師は分娩介助に当れませんでした。
医師も分娩介助の練習をする必要がありますからね。
そうするとさらに分娩介助に携われる機会も少なくなってしまいます。
私の体験談
助産師として働く目的の明確化
私の助産師として働く目的は、
「夫立ち会い分娩の場で、幸せでアットホームなお産のお手伝いをしたい」
です。
それは今現在も変わらず、過去2回の転職理由もこれが元になっています。
助産学生 3年生の助産実習の時に、私の助産師としての目的がはっきりとした瞬間がありました。
産婦人科クリニックで旦那さん立ち会いの元、分娩介助をした際、
それは、もう本当に幸せなお産だったんです。
言葉では言い表せないくらい、とても素敵なお産でした。
奥さんが陣痛でフーフーと、がんばっている時、旦那さんはそばで奥さんの手をしっかり握り必死で奥さんを励ましていました。
「がんばれー」
「フーフー息を吐くんや」
「そうやそうや、いいぞー」
旦那さんは強面な見た目によらず、私の呼吸法を真似て、奥さんに一緒になって伝えてくれていました。
赤ちゃんが生まれた際、
奥さんはもちろん涙を流して喜んでいましたが、
旦那さんも大泣きして、
「よくがんばった!」
「ありがとう!、ありがとう!」
と奥さんの頭を撫でながら、
男泣きしていました。
私はその姿を見て、もらい泣きしたのを今でも鮮明に覚えています。
助産師として、このアットホームなお産にたくさん立ち会いたい、そう強く感じた瞬間でした。
大学病院で異常分娩を学ぼう
助産師として働く目的が明確になっていた私は、
アットホームなお産に携わり、妊婦とその家族に密に関われるのは産婦人科クリニックなどの小規模な病院だと思いました。
しかし、新卒の私が、いきなり産婦人科クリニックで働き出しても、
使い物にならないだろうし、もっと勉強する必要があると感じました。
そのため、教育体制のしっかりしている大学病院で異常分娩を学び、その上で、産婦人科クリニックでの正常分娩を経験するべきだと考えました。
結局、私は大学病院の母性棟とNICUを経験し、結婚を機に、念願のクリニックへと転職をしました。
助産師として働かないという選択肢もある
私の先輩は、助産師として大学病院で働き始めました。
しかし働き始めてすぐに、
「お産は好きだけど赤ちゃんのお世話は自分にはあまり合っていない」
「もっと急性期の現場を経験したい」
と考え、
ICUに異動願いを出し、看護師の資格で働いています。
助産師として働きだしたけれどやっぱり違うと考える方も中にはいるんだね。
そうですね。
その先輩は、働き始めてから自分の目的が明確化したのだと思います。
助産師は分娩介助はもちろんですが、ベビーのケアも仕事内容に含まれてきます。
言葉の通じない赤ちゃんのお世話というのは、想像していたものと違ったと感じる方も少なくはありません。
特に夜勤のスタッフの数が少ない中、大人数の赤ちゃんに大合唱されると、ノイローゼになるといった友人もたくさんいました。
まとめ
助産師の就職先の選び方のコツは以下の通りです。
・助産師になって何をしたいかを考える
・教育体制について確認する
・分娩状況を確認する
まずは助産師となって何をしたいかをじっくり考えてみるのもいいかもしれませんね。
将来の自分の姿をイメージしながら、目的に合う進路選択をしましょう。
職場の内部事情などは自分で調べるには限界があるので、転職サイトのサポートを受けてみるのもおすすめです。